ありがとう、711系901番(1998.11.1)

・第1部:ラストラン序曲

昨日、実はこの711系901番(以下901と略記)に昨日会うつもりだった のだが、不覚にも寝坊をするという大失態をおかしてしまった。 今日は本当の最後の運転の日、やっぱり昨日行かなくて正解だったのかもしれない。 もう2度と会うことはないと思っていた901にまた会えるとわかったのは、 ある新聞の記事だった。
「711系、急行さちかぜとしてラストラン」・・・僕の中で“絶対に見届ける!!” という気持ちが高鳴ってきた。そして、同時に「ラストランフラノ」の 運転日だということを思い出した。
901は星置駅主催の団体列車だと書いてあったので、問い合わせてみたところ、 すでに定員は埋まっていた。・・・遅かったか・・・。 でも、乗れなくても見ることは出来る。 そういえば、昔の塗装に塗り替えられてるそうだ。 あの無地一色のやつだ。

前に住んでいたところから札幌に出るときに、よく711系は利用していた。 11時35分発の9両編成の711系普通だった。 今から思えば、9両編成なんて特急でもめったにないものである。 多分、運用の都合なのかもしれないが、すごく貴重だったのだ。 いつも8号車から9号車の方に座っていたので、車内はいつもがらがらだった。 確か、その中に901も含まれていたはずだ。 現に901が混ざっていると、わざわざ混んでいてもそっちに座ったものだ。 では、なぜそこまで901にこだわるのか。 それは、901は他の711系とは違い、窓が「二段式」になっていることである。 711系が製造されたとき、同時に902というもう1つの試作車が製造されていた。 そして、当時の国鉄は902方式を採用したのだ。 その決定的なポイントは、寒冷地での寒さ対策のための「二重窓」である。 902は一段で二重窓。それに対し901は二段で一重窓。 901は北海道にはあわないという判断が下されたのである。
そのため、901は今の北海道では、たった2両しかない二段窓方式で 数少ない貴重品となったのである。
そんな901を大好きな人はたくさんいるはずだ。 そして901は、それだけ貴重な逸品となったわけだ。 現に今日のラストランも902は使われないそうだ。
そうしたことを思い、札幌駅に向かう。


・第2部:急行さちかぜ

札幌駅に着いたのは、8時ちょいすぎ。 まずは昨日調べておいた「さちかぜ」の運用を見れば、 さちかぜは6番ホームから発車する。そこでまずは7・8番ホームに移動。 なぜなら、すでに5・6番ホームにはたくさんの人だかりがいたからである。 ちなみに、なぜ7・8番ホームにしたかと言うと、ここからなら 編成全体の写真が撮れるからである。アングル的には僕はこれが好きなのである。 最初、厚別で写真を撮ろうと思っていた。調べているうちに、厚別で特急列車に 追い越されるからである。そのために運転停車をするのである。 おそらくドアは開かないだろうから、かなり写真は撮りやすいにちがいないからである。 だが、早く来たので、それなりにスペースは空いていた。 それで、厚別待ち伏せはやめた。やはりこの札幌駅で撮りたい。
8時21分、快速エアポートが出ていってすぐに、お目当てのさちかぜは やってきた。てっきり2両だと思っていたが(クハ+クモハなので可能)、 3両編成でやってきた。実はちゃんと「さちかぜ」を復元していたのである。 そして、車体の塗装は昔の国鉄色。懐かしい・・・。 それまで、901の相方は「モハ711−9」「クハ711−119」と 転身してきたが、最後の相方は「クハ711−19」だった。 編成は旭川方面から「クハ711−901+クモハ711−901 +クハ711−19」というものだった。
シャッターがあちこちから押される。みんなお別れを言いに来たのだろう。 たくさんのフラッシュを浴びながら「急行さちかぜ編成」はしばしの 休憩を取る。すぐに旭川に向けてのラストランが始まるのだ。 8時26分、急行さちかぜはゆっくりとホームを滑るように進んでいった。 そして再びシャッターが押される。この901はもう2度と見ることは出来ない。 しっかりと、その姿を目に焼き付け「おつかれさま」と言った。
そして、その姿が見えなくなるまで、じっと見つめつづけていた。

・第3部:ラストランフラノ

急行さちかぜが出ていった後、今度はフラノエクスプレスである。 これに関しては、前に書いているのでそっちを参考にしてもらえればいいかも。

さてそれはさておき、さちかぜが出発して少しして、フラノエクスプレス は入線してきた。さちかぜと同じ6番ホームからの発車である。 今度は、7・8番ホームでも結構な人が来ていた。 早めに位置を確保。なんともすばらしいポイントを確保できた(と自分では 思っている。)。 他の人は大半が、一眼レフのカメラ(望遠がすごいの)とか、三脚とか持ち込んでいた。 僕はごく普通のカメラしかないので、いかにいいポイントを確保するか が重要になっていた。これは、「さちかぜ」でも同じ事が言えるのだが、 そういうカメラとかを持っている人たちは、やはりどこかが違う。 この辺は、第4部で詳しく・・・。

フラノエクスプレスは9時08分、高らかに汽笛を鳴らし、6番ホームを 力強く出発していった。車内は満員であった。やはり発売日に10分も しないうちに満席になっただけのことはある。 お客さんはほとんどが、それなりの人たちである。
これも、姿が見えなくなるまでじっと見つめていた。 多分、こっちは明日にでも苗穂で見ると思うので、感情的にはそれほど 高くもなかったようだ。
それだけ、「さちかぜ」「711系901番」の方に気持ちが傾いているのだろう。
今日という日が、すごく思い出に残る日となることは間違いないだろう。 2つの列車に、今までありがとう、そしてお疲れさまと言いたい。
そして、僕は帰途につく・・・。

・第4部:ちょっと気がついたこと

お話はここまでなのだが、ここではちょいと気がついたことを列記しておこう。

まずは、相変わらず言われている「マナーの悪さ」である。 列車がせまっているにも関わらず、白線の内側で堂々とカメラを構える 輩がいたことである。当然、タイフォンを思いっきり鳴らされ、 周りの一般のお客さんからひんしゅくをかう。 わかってはいるのだろうが、少しでもいい写真を撮ろうとして、 このような行動に出るのだろう。 わからないでもないが、やはりマナーは第一に考えて欲しい。

次に「身勝手な連中が多い」ということである。
デジタルカメラを三脚に構えていた人が数名いたのだが、 ちょいとフレームにかぶったからであろうかよくわからないが、 「ジャマなんだよ!S901(711−901のこと)が撮れないだろ!! いいか、ここから中には入ってくるな!!」とそばの人に怒鳴っていた。
ちょっと待て、ここはお前専用の場所か?他にもたくさん、写真を撮りたい 人はいるんだ。たまたまかぶっただけかもしれないが、まだ901が入ってきてない にも関わらず、血眼になって怒鳴るほどのことなのか!? 駅員さんに注意されるのなら納得は行くが、ただの一カメラマン (と言っても、絶対アマチュア)にそこまで言われる筋合いはない。 お前だけの901ではないし、お前だけのホームでもない。 こういう奴が鉄道ファンの評判を悪くするのである。

同様に、音を録音している人たちもいた。僕はよく鉄道のページで、 発車の際の音を録音したものを公開していたりするが、 そういうものを作るときは、やはり周りのほかの人たちは気を悪くしていたのだろうか。 なぜならその人たちは、まわりに静かにするように働きかけていた。 ただ、これは「お願い」をするように見えていたので、 特にどうこうは言わないけど。こういうちゃんとした人もいるのにね。 で、録音が終わった後は、どうもありがとうという態度が少しは見えました。

それにしても、今日は子供たちが多くて驚いた。 でも、901そのものにはあまり興味はなかったらしく、 ラストランフラノの方にはっちゃきになっていた(笑)。 それをまたお母さんが説明したりしている。 でも、詳しいねそのお母さん(笑)。

なんか、長い文になっちゃったけど、これで終わりです。 長い間お付き合いいただきありがとうございました。 それでは、さちかぜの思い出に触れながら、この日記は終わりにしましょう。


・Train&Travel Reportに戻る